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流暢推定法の高度化が達成できれば、船体抵抗の90%以上を占める粘性抵抗や造波特性、プロペラとの相互作用のメカニズムが結果として推定できるだけではない。実験的方法では特別な方法をとらない限り、船型(原因)に対して抵抗値(積分量:結果)が得られるだけで情報量が少なく、さらにどこに改良のポイントがあるのか判然としない場合が多いが、本流場推定法によれば、途中のプロセスで周囲流場という(因果関係を握る豊富なデータ)を計算、CG表示できるため、「船体のどこが抵抗を増加させているのか?、また、その改良のポイントは何か?」などの設計者が欲しい設計指針を短時間に把握可能となる。これを繰り返し試行し、設計者の経験的知見を加味することにより、(1)船型性能の向上、(2)船型改良等に有効に役立たせることができ、新しい船舶流体力学設計システム、即ち、「流場解析的船型計画法」の基礎となる。更に、これらは技術競争力、コスト競争力の強化に繋がり、我国造船業の国際競争力の向上に寄与する。

 

 

 

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